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会報「うふふ」第11号オンラインダイジェスト

オックスフォード通信・第7回


 このところ、山一の破綻など日本にはきついニュースが相次ぎ、私は日本の円安の影響を痛感しています。日本の製造業は堅調で輸出産業はとても利益を受けているようですが、それはどこかに隠れてしまうのでしょうか。金利も低く、株も下がっていれば製造業が利潤を稼いでも、その投資先がないということなので、円の需要は絶えず円は上がりません。
 「政府は大規模な国債を発行して世界の市場の信頼を回復するために何でもすると言った」と新聞でみました。マネーサプライがさらに増えて金利も上がらないとすれば、世界からの円の需要も上がらないので、円は上がりません。
 それではこの金融秩序安定のための資金はどこに回るのでしょうか。雇用に回るでしょうか。金融機関で働く人々の救済にはなるかもしれません。でも、閉鎖経済でケインズ主義が論じる製造業と違って、何を意味するのでしょうか。それらのことを含めて彼らは財政再建と国債発行との関係など、国民が納得できるように分かりやすく説明できるのでしょうか。
 こちらにいると、政府の金融財政政策が自分たちの生活とどう関わるのかというニュースが日常です。EUへの加盟の問題も、子育の手当ての問題も、財政金融政策の世界での調整との関係で議論されています。
 税金をどこにかけるかについても同様です。政府の財政金融政策の自由の範囲が、貿易、金融、資本移動の国際間の競争に影響を受けていること。たいていの人はその事実を受け入れざるをえないと考えているようです。
 民主主義の代表・国民の代表としての政府が、国民の生活の向上に資するような、大規模な資本の投機的動きを抑えられるような、世界的協調システムをどうすれば構築できるかが課題なのです。
 こういった問題をきちんと判断できるようになるためには、市民が勉強する必要もあります。判断力もつけば、誰にわれわれの代表としての責任を任せることができるのか、政治家に対しての選択基準にすることができます。
 政府も政策の整合性を国民にきちんとわかるように、ごまかさずに説明することが必要とされます。
 ちなみに、英国では、政治家は何かあれば必ずテレビでかなりっつこんだインタビューをうけています。政策やいま起こっている問題について、ペーパーを見ないで、自分の言葉で説明できることが重要です。討論番組もたくさんあります。

 さて、今回本当に言いたかったことは、働くことと、お金を稼ぐこととの関係です。
 私は、この市場経済のなかで人が独立するには、自分の仕事に賃金という形で報酬を得ることが基本だと思っています。だから、誰も(男女)が働きつつ子育てができるような状態を目指すとする、社会民主主義が目標とするWelfare to workという枠組みにひかれます。これについては、過渡期の選択をどうするかが当面の論点です。労働党の中でもいくら福祉制度の立て直しのためでも、いま手当のカットを打ち出せば、貧困な人々をさらに貧困に陥れると造反が出ています。ただし、手当をもらうことは恥ではなく当然の権利となっている上で、それでも能力があれば働いて社会に参加した方がもっといいという、脈絡の話です。大きな目標と、それに向かう過程をどうするかの議論です。
 先日、郡山の老母と娘が餓死か?という記事を見ました。日本では、餓死しても手当はもらいたくないという人が結構いる模様。
 Welfare to workは、走り過ぎになるのでしょうか。世界の女性が本当に長期的にみて目指すところは、依存して楽することではなく本当の自立、独立を確保できる道なのではないでしょうか。

(栗原るみ・WFF代表)


ちょっとのぞいたオックスフォード

 10月22日から28日まで、イギリスを旅しました。オックスフォードに3日間立ち寄り、本会代表の栗原るみ先生のご自宅にも1泊させていただきました。現地での体験と感想を簡単に述べてみたいと思います。
 オックスフォードは学術の街で、無数のカレッジが林立しています。情緒ある町並みで、100年、200年前の建物はザラ。栗原先生の住む家も相当に歴史のあるものでした。
 町には大きな書店、博物館などがあり、栗原先生所属のニッサン・インスティトゥートも落ち着いた環境でした。
 先生曰く「研究するしかない状況」。
 ご案内していただいて、郊外の村や、オックスフォードの街を見て回りました。その中で痛切に感じたのは、日本人は全て「企業論理」で動いてるということでした。
 イギリス人は、古いものを大切にし、その価値を重視しています。建物だけでなく家具や電化製品にいたるまで、古いものを大切に使っていました。
 また、イギリスでは休日は「自分なりの過ごし方」を重視する生活がありました。特定のレジャー施設に押し寄せる日本と違い、テムズ川に面した公園を散歩したり、美術館(ほとんどが入場無料)に行ったり。文化や芸術、福祉、歴史的遺産に対する行政の理解とバックアップがあり、それが国民に指示されていると感じました。
 日本人の中の「企業論理」「経済観念」は、世界的視野で見れば非常に特異。イギリスの国民と、日本人のサラリーマンの表情などを比べ見るにつけ、日本は経済活動以外の国民的コンセサスを得る次の目標を探しての、長く暗い「模索」が始まっているような気がしています。
 余談ですが、マスコミ業界について。パパラッチなど業界内での個別な競争は激しいようですが、スクープ競争に対する国民の関心は、さほどないと感じました。

(藍原寛子 いわき市)


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