2004年度コース入門科目

社会と文化B(講読)・デュルケム『自殺論』と教育の歴史社会学


【担当教員】
 湯田勝(前期) + 高橋準(後期)

【授業概要】
 このクラスでは、「社会と文化」コースで学ぶ上で必要な、読解力・思考力・表
現力の3つの力を修得することを目的とします。文献を読み、そこに何が書いてあ
るかを的確に理解し、そこから学び取ったことを自分自身の問題関心や、現代社会
あるいは地域社会の具体的問題と結びつけて解釈していく力を養いながら、さらに
それを発表したり討論することを通じて、自己表現の技術と精神を身につけていき
ましょう。
 前期は社会学、後期は歴史学という異なった学問領域の文献を講読しますが、と
もに「『社会』とは何か」というテーマをめぐって書かれたものを取り上げていま
す。

【授業計画】
 前期は古典への接し方を身につけるために、宮島喬著、『デュルケム 自殺論』
(有斐閣新書)を手がかりに、フランスの社会学者エミール・デュルケムの『自殺
論』(中公文庫)に取り組むことにします。基本は解説書を読んでいくことになり
ますが、古典を扱う以上は必ず原典(この場合は翻訳書ですが)を手元に置いて、
常に参照していくことにしたいと思います。
 近年年間の自殺者が3万人を超えるようになっています。自殺を試みる人ひとり
ひとりは確かにそれぞれ個別の問題を抱えていますが、自殺という行為を個人の問
題として扱うのではなく、社会的問題として扱おうとしたのがデュルケムの『自殺
論』です。どのような概念や方法を用いて彼が自殺という問題を社会的なものとし
て構成していくかに焦点を合わせながら、この古典を読んでいくつもりです。
 後期はまず、中内敏夫著、『新しい教育史』(新評論)の冒頭部分を精読しなが
ら、「新しい歴史学」と呼ばれる領域の問題関心や概念装置について触れてみたい
と思います。また、たとえば「どのような・どの程度の教育を望むか」ということ
も、子どもの資質や当事者の家族の意思だけで片づけられるものではなく、そこに
さまざまな社会的要因が関わっているということを、教育史研究のわかりやすい事
例をもとに検討していきます。そのあとは受講者の関心にあわせて、歴史学や教育
学関連で講読する文献を選んでみたいと思います。

【テキスト】
 宮島喬、『デュルケム 自殺論』、有斐閣新書。
 デュルケム、『自殺論』、宮島喬訳、中公文庫。
 中内敏夫、『新しい教育史』(新版)、新評論。

【参考文献】
 授業中に適宜指示します。

【評価方法】
 授業中の報告、発表、討論への参加、出席のほか、適宜レポート課題を課します
が、これらを総合的に評価します。

【備考】
 学期開始後、連絡等のためにメーリングリストを開設します。



「仕事」のページへ
高橋準のホームページへ

Copyright (c) 2003, TAKAHASHI, June. (june.takahashi@nifty.ne.jp)
All rights reserved.